2006 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル・ネットワークのもとでの産業立地の可動性
Project/Area Number |
05F05716
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
長尾 謙吉 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PLATTNER Michael 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 経済地理学 / 企業立地 / 産業集積 / 企業間ネットワーク / 生産設備 / ファクトリー・オートメーション / ドイツ / 日本 |
Research Abstract |
経済活動のグローバル化のもとで、産業・企業立地の地理的スケールもグローバル化している。しかし、現実の企業行動を詳細に検討すると、企業立地の地理的な可動性はグローバルなスケールで収斂ないし平準化的にしている場合と、そうでない場合がある。グローバルに行動する企業の多くは多数の事業所を有し、企業内の他事業所や関連企業とネットワークを持ちながら活動を行っている。本研究は、製造業の生産活動とサービス活動の両方を考察対象とし、企業間の相互依存関係を解明することによって、企業立地の広域化と地理的集積という現代の経済地理現傑を探究する試みである。 昨年度実施した企業アンケートおよび訪問調査を補完・充実させるべく訪問調査を実施した。アンケートで得られたドイツと日本の比較について、生産関連サービスについての企業行動の差異が明確になった点を中心に、分析結果の考察をさらに進め英語での論文を作成しGeographic Review of Japanに投稿すべく準備している。大きな傾向について論述するこの論文に続き、ドイツ・日本・アメリカ合衆国の代表的大手企業と中堅企業の企業行動について、ドイツのニュルンベルクと大阪大都市圏の様々な規模の産業機械関連企業の集積の比較について、さらに二つの論文作成をめざしている。これらの中間報告は、ドイツの調査については、11月の北米地域科学学会と2月の経済地理学会関西支部例会において報告した。また、本研究の付加的な成果として、ドイツの製造業雇用の地理的変化について日本語での研究ノートを執筆した。
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