2005 Fiscal Year Annual Research Report
乱れたボース・アインシュタイン凝縮系における超流動
Project/Area Number |
05F05726
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
坪田 誠 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOULS P.J. 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ボース凝縮 / 中性原子気体 / 超流動 / 光格子 / 周期ポテンシャル |
Research Abstract |
中性原子気体のボース・アインシュタイン凝縮(以下,ボース凝縮と言う)は,1995年の発見後,物性物理学における最も重要な分野の一つとなり,これまでに膨大な研究業績が積まれてきた。坪田は,Louisと協力して,中性原子気体ボース凝縮系を舞台に,ボース凝縮と超流動の関係という,低温物性物理学の根幹に関わる問題の理論的研究を行った。中性原子気体ボース凝縮系では,光学技術を用いて様々なポテンシャルを作りその中にボース凝縮を閉じ込めることができる。周期ポテンシャル,擬周期ポテンシャル,あるいはランダムなポテンシャルなど,様々なポテンシャル(超格子を含む)中に系が置かれたとき,そのボース凝縮と超流動がどのように発現するかを,理論的および数値的に調べた. ボース凝縮の秩序変数である巨視的波動関数に対するグロス・ピタエフスキー方程式(非線形シュレディンガー方程式と同形)の理論的および数値的解析を行うことで,以下の問題を研究した。本年度は特に,1次元系に焦点を当てた.周期格子ではボース凝縮および超流動が起こる。ポテンシャルの振幅や周期にわずかな変調を加えた時に,状態がどのように変化するかを調べた。これはポテンシャルに不純物を挿入することに相当する。また「乱れ」が変化したときの超流動-非超流動(またはボース凝縮の局在)の遷移を量子相転移としてとらえ,解析を行った。二つの周期の比が無理数であるような擬周期超格子構造にたいしても,同様の研究を行った。これらの成果は,2005年8月にアメリカで開催された第24回低温物理学国際会議で発表した.
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Research Products
(1 results)