2006 Fiscal Year Annual Research Report
核融合プラズマの乱流輸送と帯状流の相互作用と制御に関する理論・シミュレーション研究
Project/Area Number |
05F05732
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岸本 泰明 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANDERSON Johan Erik 京都大学, エネルギー科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | トカマク乱流輸送 / 微視的不安定性 / イオン温度勾配モード / 帯状流 / 非線形相互作用 / 変調不安定性 / 平衡プラズマ平均流 / wave-kinetic方程式 |
Research Abstract |
本研究課題は、輸送障壁を中心した近年のトカマクを中心とした磁場閉じ込めの核融合プラズマにおいて観測される閉じ込め改善現象の背後にある物理機構を、先進的な乱流輸送理論、粒子あるいは流体モデルに基づくシミュレーションにより解明する。特に、ミクロスケールの静電的な揺らぎとマクロな磁場揺動を伴う揺らぎなど、時空間スケールの異なる揺らぎ間の非線形相互作用が輸送障壁の形成条件に重要な役割を果たしているとの着想に基づいて現象を整理・検討し、核融合プラズマの輸送制御の理論的指針を得ることを目指する。平成17年度・18年度を通して以下の研究課題を推進しするとともに、論文執筆を含め研究発表を精力的に行い、所定の成果を得た。(1)装置サイズのマクロな平均流がミクロなイオン温度勾配(ITG)モード乱流による帯状流生成に対して抑制効果があることを見出すとともに抑制効果に対する平均流のパラメータ依存性について明らかにし、これらを学術誌(Physics of Plasmas)に発表した。(2)乱流揺動から生成される帯状流生成の解析手法として、連続的な乱流スペクトル形状を扱うことができるwave-kinetic方程式に基づく手法と当該研究代表者(岸本)等が進めてきたコヒーレントな少数モード間結合に基づく手法の2種類がこれまで用いられてきたが、ITGモード乱流を例にとり両者の手法の比較を系統的に行った。両者は幅広いプラズマパラメータに対して定性的な一致を示すものの、wave-kinetic方程式では帯状流の最大成長率が同定できないなど、帯状流の波数依存性に差異が現れることを見出した。本研究成果を学術誌(Physics of Plasmas)に発表した。(3)ITGモードなどの線形解析による臨界勾配値は帯状流の効果を考慮すると急峻な勾配方向に上方変位することがシミュレーションから指摘されているが(Dimits変位)、この変位を理論的に説明する帯状流効果を繰り込んだ輸送モデルを導くことに成功した。また、本モデルと当該研究室が行っているグローバルな乱流シミュレーションとの比較・検討を実施した。
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Research Products
(6 results)