2005 Fiscal Year Annual Research Report
発達した熱乱流における速度場の構造と究極状態の研究
Project/Area Number |
05F05734
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 雅己 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BIENIA Marguerite Anna 東京大学, 大学院理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ベナール対流 / 熱乱流 / 超音波ドプラー流速計 |
Research Abstract |
本研究の主題は、熱対流の乱流に関する研究であり、液体金属である水銀を用いてレイノルズ数の高い乱流状態を実現することにある。実験は、アスペクト比が0.5の円筒形の容器に満たされた水銀を用い、上下面に温度差を加えることで熱乱流を発生させる。測定方法としては、超音波ドプラー法を用いて乱流中の速度場を瞬時に測定する手法を取る。 来日直後から実験を開始し第一に、温度差を変化させてレーリー数と実効的熱流(ヌッセルト数)の関係をチェックし、同じ研究グループで従来得られた結果と一致することを確認した。その後、多点同時計測により、速度場の3次元の空間分布を明らかにする目的で、超音波トランスデューサーを同時に複数本用いて測定系の改良を行った。特に、境界層内でどのような速度変動が起こっているかに着目し、境界層の構造に焦点をあてて研究を行っている。 また、容器の外部から超音波トランスデューサーをあて、移動させながら測定を行うため、容器による反射減衰を抑える必要があることから、音響インピーダンスのマッチングを最適化するため、手製でトランスデューサーの製作を行った。素子の背後の被覆材に関しては、エポキシ樹脂と金属粉の混合によりプロトタイプの開発を行った。被覆材についてはさらに改良を要するが、比較的良好な動作を確認した。 最後に、トランスデューサーを自動で空間的にスキャンするための移動ステージを作成し、予備実験を行った。予備実験は、水を用いた方形の対流装置を用い試験を行った。 次年度は、上記の移動トランスデューサーによる測定系の定量的評価を完成させ、水銀対流系に適用する予定である。
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