2005 Fiscal Year Annual Research Report
クリーンエネルギーの開発:超深度脱硫及び水素製造・貯蔵
Project/Area Number |
05F05735
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
石原 篤 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GIORNELLI T. 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | クリーンエネルギー / 廃棄物処理 / ポリ塩化ビニル / 水蒸気改質反応 / 水素製造 / 触媒反応 / 水素貯蔵 / 水素化脱硫反応 |
Research Abstract |
本研究では、廃PVCを原料として未来のエネルギー源とされている水素を安価に製造することを目的とし、廃PVCの水蒸気改質用の触媒の探索・開発を行い、反応経路の解析の検討を行った。これまで熱分解と水蒸気改質反応を同じ温度で行ったため、それぞれの反応を制御することが困難であった。よって、本実験では、二段に分けて反応を行った。 固定床流通式反応装置に、クラッキング触媒1.74gおよび原料であるPVC1.74gを充填し、PVCをタールに転化した。また、反応後に生成したタールの同定はGC-MSで行い、さらに生成ガスの分析はGC-TCDで行った。塩素の回収率は滴定法を用いて求めた。二段目で水蒸気改質触媒を用いて、一段目で形成したタールのガス化処理を連続的に行った。触媒には、含浸法で調製した1.74gのNi/Al_2O_3触媒等を用いて、700,750,800℃で反応を行った。プラスティックバッグで回収した生成ガスの量を測定し、GC-TCDを用いて分析した。 いずれの触媒においても上述の条件で、500℃でタールの生成量が最も多かった。また、同条件で塩素の回収率はほぼ100%に達した。タールの組成は、多環芳香族が大部分を占めていることが分かった。水蒸気改質触媒を700℃、クラッキング触媒を500℃にした時、水素の生成量が最も多い最適な昇温速度は5℃/minであった。一方、昇温速度の増加とともにガス中の炭素量はより多くなった。これは、昇温速度が遅いときにPVCはコークになってしまう可能性を示唆した。また、クラッキング触媒・PVC層を25℃/minで昇温したときには、水蒸気改質触媒の温度の増加とともにPVCのガス化はより進行することが分かった。
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