2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05738
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 博之 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MORIN Fabrice Olivier 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 微小管 / チューブリン消化 / キネシン / マイクロ電極 / 誘電分光学 / マイクロ構造自己組織化 / ナノ輸送 / InSn酸化膜透明電極 |
Research Abstract |
本研究は、半導体技術を援用したナノ・マイクロ加工により、生体分子や細胞を操作、観察、解析するデバイスを作り、その性能を評価することを目的とする。生体分子として、生体モータタンパク分子(特にキネシン・微小管系)を対象とする。本年度は、下記の結果を得た。 (1)デバイスの設計と課題の抽出 微小管タンパク分子を取り扱い、チップの表面の上に付加することで、キネシン・微小管系を使って、ナノ物体をマイクロ加工したパターンに沿って動かすデバイスを検討した。微小管を自由に操作し選択付加するために、顕微鏡で微小管の動きを観察しながら、マイクロ電極で電場を掛けることとした。このデバイスの作製には、以下の課題があることが分かった。実験のパラメタとして、バッファのpHやバッファの伝導性率や微小管の重合方法などを最適化する必要がある。このため今後、微小管の基礎物理的な性質も研究する。同じく、半導体技術で作ったマイクロ構造の上で、微小管やチューブリンを加えたバッファー滴を蒸発させた時、自己組織的にできる構造を観察する。構造の形状や形成過程と微小管の物理・化学特性との関係を研究する。この自己組織化構造を使ってバイオアッセイを行い、例えばキネシンとの相互作用を明らかにできると期待される。 (2)デバイス加工に関する基礎実験 デバイス加工に関する実験については、ガラス基板の上のInSn酸化膜を使い、マイクロ電極をパターンすることできた。加工方法はアルゴン・プラズマとアルミマスクを用いるドライエッチング、またはレジストマスクのリフトオフのいずれかを使った。電極が透明なので、電場を掛けた状態の微小管を様々な顕微法で観察することができた。さらに、キネシンが微小管を駆動するのに十分に滑らかな表面をもつマイクロチャンバーとマイクロ流路をスライドガラスに形成することができた。なお、フッ化水素酸と塩酸のウェットエッチングで加工した。
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Research Products
(2 results)