2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05738
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 博之 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MORIN Fabrice Olivier 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 交流電気浸透 / マイクロ流体工学 / 微小管 / キネシン / 自己組織化 / 酸化インジウムスズ |
Research Abstract |
生体分子をマイクロ加工により作製したデバイスと組み合わせる手法を開発した。生体分子には微小管とモータータンパクであるキネシンなどが使われた。さらに生体分子とマイクロデバイスとの間の局所相互作用を利用した領域も開発した。例えばキネシン駆動の微小管を型にした自己組織化(KPMTTSA)、交流電気浸透ポンプ、電場による微小管分解の研究を行った。 KPMTTSAが実現できるかを調べるために、私たちは様々な表面で液滴が乾燥する過程の微小管の吸着と自己組織化について調べた[1]。自己組織化した構造をもたらす原因として、水滴の界面にある固体が重要であることが分かった。さらに私たちは広範囲にぎっしりとつまった単一微小管膜の作製を示した。この膜には、他の表面で観察されるような塩の固まりがなかった。KPMTTSAの実用的な応用には、堆積する過程で微小管の生物的な機能を保つ技術の開発が必要となる。 交流電気浸透流を使って微小管を動かし、チップ上に整列する方法を提案する。昨年確立したアルゴンプラズマによる酸化インジウムスズ(ITO)エッチングの手法にもとついて、ITOの平面微小電極アレイを作製した。一番大きい技術的な課題だったのは、文献で報告されている平面微小電極アレイでは、微小管の安定性を保ちながら流体を運ぶのには、不十分であったことである。それは高いイオン強度、導電率、緩衝液の濃度が原因であった。そのため新しい交流電気浸透ポンプを開発した。この方法は私たちが確立した電極と電解質液との表面における不均一な帯電による原理にもとづいている[2]。そして理論的、実験的にとくに電極のサイズが重要であることを示した。またカゼインで電極が覆われるのを防ぐために、TritonXという界面活性剤でカゼインを分解するプロトコルも確立した。
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Research Products
(2 results)