2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05741
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
西田 雅嗣 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CLUZEL Jean-Sebastien 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 建築 / 文化財 / 記憶 / 建築書 / 再建 / 式年遷宮 / 国際研究者交流 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
・京都御所の再建の歴史的経緯を検討した。20世紀に出版されたいくつかの総合的研究者の重要論考を仏語翻訳、また裏松光世の「大内裏図考証」を読解、関係重要部分を仏語翻訳し、共著論文「日本の記念的建造物における記憶の正当性と修復」と題した論文を執筆した。執筆論文はフランスの学術誌『空間と社会』に投稿しており、査読の結果、掲載が決定している。伊勢神宮を例に顕著に見られる物質性を排した形式の保存・継承を儀礼という人間活動に託する心性が京都御所の建築の歴史にも見られることを明らかにし、日本建築文化における「技術」と「意味」の乖離を指摘した。 ・ロサンジェルスのゲッティセンター、カリフォルニア大学サンディエゴ校他に重要関係研究者を訪ね、研究のレヴューを行ってもらい、関係セミナーに参加し、意見交換を行った。 ・『匠明』ほか、歴史的建築書の読解作業は継続中。 ・2006年4月下旬に京都で行われる日仏セミナー「伝える人建てる人」での発表講演のために、京都御所と日本建築における記憶の継承術に関する考察を実施中。記憶の修復と形式の問題を考察中である。 ・太田博太郎の著作をはじめとする戦後日本建築史研究の成果、到達点を示す重要な建築史研究書を調査し、収集した。これらを通じて日本建築、あるいは日本建築史における、特に通史という概念、および通史における主導概念としての時間、様式の問題の検討を始めた。 ・遺構の実地見学とその写真撮影、画像・データーのデーターベース化は継続中。
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Research Products
(2 results)