2005 Fiscal Year Annual Research Report
ブロック共重合体の相転移とそれを利用したナノ構造制御に関する研究
Project/Area Number |
05F05746
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 博一 京都大学, 工学研究科, 助教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAREAU Vincent Henri 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | ブロック共重合体 / ミクロ相分離 / 電子顕微鏡 / 電子線トモグラフィー / 秩序-秩序転移 / Gyroid / 粒界構造 / HPL構造 |
Research Abstract |
ポリスチレン-ポリイソプレンジブロック共重合体とホモポリスチレン混合系を用い、Complex Phase Windowと呼ばれる狭い組成領域に出現する様々な形態のミクロ相分離構造(シリンダー、ラメラ、スポンジ構造、HPL(Hexagollally Perforated Layer)構造、Gyroid構造など)の粒界構造(長距離秩序を有する領域(グレイン)間の境界領域)を電子線トモグラフィごにより観察した。この混合系では溶液からの成膜過程において、種々の構造から特定のミクロ相分離構造(Gyroid構造やHPL構造など)へと変化していく様子が観察されるが、それらの異種ミクロ相分離構造間における粒界構造の立体構造を明らかにすることにより、秩序-秩序転移の機構を明かにすることができる。構造転移の機構が明らかになれば、その知見をもとに、構造制御法を開発することが可能であり、ブロック共重合体によるナノテクノロジー材料の開発に繋がる。 平成17年度は、規則的共連続構造の一種であるGyroid構造とラメラ構造、およびGyroid構造とSponge(不規則な共連続構造)との粒界構造の電子線トモグラフィーによる3次元実空間観察を行った。Gyroid構造/ラメラ構造間の粒界構造観察では、得られた3次元のボリュームをGyroid領域、転移領域、ラメラ領域に分けて切り出して観察を行った。その結果、転移領域は予想外に狭いことが分かった、。ポリイソプレン(PI)相がGyroid構造ネットワークを形成する場合、この転移領域の間で先ずラメラの層状構造に穴が開いてHPL構造に似た構造が現れ、次いでそれがシングルネットワークとなり、さらにダブルネットワークとなってGyroid構造に変化する様子が見られた。このネットワーク状の転移領域の幅はGyroid構造の1周期長程度の幅しかなく、Gyroidダブルネットワーク構造への変化は速やかに進行することが分かった。
|
Research Products
(4 results)