2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05753
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
吉田 直人 宮崎大学, 農学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MASIL Khan 宮崎大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 下水汚泥 / 活性汚泥 / 高分子系下水汚泥 / コンポスト化 / クロレラ |
Research Abstract |
汚泥の腐熟化を促進すると思われる汚泥資化性細菌2株(P株、Y株)を純粋分離した。これら2種について汚泥腐熟化にどのような効果があるのか調べた。脱水汚泥ケーキ10g、1次発酵汚泥30gを十分混合した後、P株、Y株の培養液をそれぞれ6m1添加し、仕込み汚泥とした。切り返しは24時間ごと行った。腐熟化は仕込み汚泥の濁度、糖およびタンパク質含量を測定することにより評価した。 対照では濁度の急激な上昇が見られたので有機物の分解による微粒子化が進んでいると考えられる。仕込み汚泥にP株、Y株を添加すると、濁度の上昇は観察されなかった。これらの細菌は分解された(微粒子化された)有機物を利用し、ただちに二酸化炭素やアンモニア等に変換していると考えられ、活発な有機物の分解が示唆された。 対照では還元糖の減少はまったく見られなかったが、仕込み汚泥にP株、Y株を添加すると、24時間で還元糖量は初期濃度の約80%に減少した。分離細菌は糖を食化し、二酸化炭素等に変換していると考えられる。タンパク質の分解においては対照と顕著な違いはないので、P株、Y株はタンパク質の分解能力は低いと考えられる。以上のことよりP株、Y株は糖類を活発に消費させ、汚泥の堆肥化に貢献していると思われる。 コンポスト化過程で発生するアンモニアによる悪臭は社会間題化している。そこで窒素食化性の高い藻類を単離し、アンモニア吸収能力の優れた藻類を得ることができた。単離藻類はChlorellavulsarisであることがわかり、10^8個細胞あたり50μgのアンモニウムを吸収した。コンポスト化が進む汚泥堆肥中に添加することにより、アンモニアによる悪臭を一時的にでも減少させる技術が期待される。
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