2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05755
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
古久保 哲朗 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGOM Amy 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 転写調節 / モニタリング / 遺伝子発現 / イメージング / NMR / MRI / ポリリン酸 / レポーター遺伝子 |
Research Abstract |
根粒菌はマメ科植物に感染し、空気中の窒素を固定するための特殊な組織である根粒(nodule)を形成する。植物は根粒菌から窒素固定産物を受け取る代わりに、根粒菌に炭水化物を与えて、互いの成長を助け合う。このような共生関係が成立するためには、ある特定の遺伝子群が、あらかじめ決められたプログラムに従って相互に正しく発現する必要があると考えられる。そこで本研究では、根粒形成過程における遺伝子発現カスケードの全容を明らかにするための有用なツールとして、核磁気共鳴イメージング法(MRI)を基盤とする非破壊的かつリアルタイムに遺伝子発現を可視化するための方法論の開発を行う。具体的には、ポリリン酸合成酵素をコードする大腸菌由来のPPK1遺伝子を、モデル植物であるシロイヌナズナに導入し、ポリリン酸の化学シフトに対する選択的なイメージングを行い、遺伝子発現の三次元的可視化を試みる。 昨年度までに、エストロゲン投与によって誘導可能な人工のキメラ型プロモーターの下流に組み込んだPPK1遺伝子をシロイヌナズナに形質転換し、当該遺伝子の誘導に伴うポリリン酸の蓄積をトルイジンブルー染色、あるいはバッファー抽出後のNMR測定により定量することに成功した。そこで引き続き今年度は、in vivo NMRによるポリリン酸の定量及びそのイメージングを試みた。シロイヌナズナの個体(20個程度)を用いてポリリン酸を非侵襲的に定量することには成功したが、検出感度の問題から1個体での定量及びその三次元可視化像を得ることはできなかった。また感度の上昇を図るため、出芽酵母細胞で得られた結果をもとにポリリン酸近傍の水由来^1Hシグナルの縦緩和時間(T1)の利用を試みたが、残念ながら期待通りの効果を得ることはできなかった。今後はハードウエアの改良を含めて、さらに検討を行う必要があると考えられる。
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