2005 Fiscal Year Annual Research Report
SLE患者T細胞におけるDNAメルチ化と核クロマチン構造に関する研究
Project/Area Number |
05F05779
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
神崎 保 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIAO Rong 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | SLE / 強皮症 / 膠原病 / T細胞 / DNAメチル化 / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
SLEのCD4^+T細胞ではDNAのメチル化の状態が低下していること、ヒトのCD4^+T細胞のメチル化を抑制すると自己免疫性を呈すること、脱メチル化したCD4^+T細胞をモデルマウスに移植すると糸球体腎炎や抗DNA抗体、抗ヒストン抗体の出現などのLE様症状が発現することが明らかにされた。一方、脱メチル化により発現が増強する分子の存在が知られており、細胞死に関与するperforinもその一つとして同定された。また、perforinを介する細胞死とSLEの病因との関連を示す報告もある。以上の事実より、CD4^+T細胞の脱メチル化の観点からperforinの関与を含めてSLEの病因について検討する目的で本研究は計画された。上記以外にもSLEの病態形成には種々の分子の発現異常が関与している。特別研究員が本研究機関で研究を開始するに当り、対象疾患をSLEと並んで患者数の多い強皮症まで拡大し、さらにT細胞のみでなく皮膚線維芽細胞も観察の対象とし、発現異常をきたす分子の同定を目指す方針とした。強皮症の皮膚病変の病態の一つに細胞外基質(extra cellular matrix ; ECM)の過剰な産生が挙げられる。本年度は強皮症皮膚の線維芽細胞と正常皮膚線維芽細胞を初代培養しECM産生に関る分子の発現を観察し、判定量RT-PCR法でI型コラーゲン、III型コラーゲン、およびconnective tissue growth factor(CTGF)のmRNAの発現が亢進していることを明らかにした。また、ウェスタンブロット法でECMの代謝に重要なmatrixmetalloproteinaseの産生を誘導するCD147/basiginのタンパクが強皮症の線維芽細胞で発現していることを確認した。 初年度は平成17年12月から開始したためSLEに関しては準備段階にある。
|