2005 Fiscal Year Annual Research Report
医療における人間工学の応用により,安全かつ効率的な医療環境を構築する
Project/Area Number |
05F05783
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森本 裕二 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARSOLEK Ingo 北海道大学, 大学院・医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 人間工学 / プロセス分析 / 医療の安全性確保と効率化 / 人工呼吸 / 手術室 |
Research Abstract |
「現状の問題点の把握と評価」 医療法人井上病院において人工呼吸管理患者の現状を観察。医師・看護師と現状の問題点を討論。 病院運営委員会に出席し、その中での経営状況データを閲覧した。病院内各部門管理者すべてに経営状況が開示されている状況はドイツではほとんど行われていないとのことであった。リスクマネージメント委員会でのインシデント・アクシデントレポートの報告率を検討した。ドイツの病院での報告率に比べ、日本での高い報告率が認識された。この相違は、個人に責任を帰するドイツの文化的背景によるものと考えている。2006年4月以降の大幅な診療報酬改訂が施行された場合に、人工呼吸に特化した診療形態がどのような経営的・安全管理的な影響を受けるかが、現状における大きな問題点と認識された。 「研究遂行のための委員会・ワーキンググループの組織化」 医療法人井上病院における業務改善委員会・リスクマネージメント委員会と連携し、人間工学的手法をこれら委員会に取り入れ、病院内における業務の効率化と安全管理を推進すべく会議に参加している。 毎週月曜日、Ingo Marsolekによる人間工学・プロセス分析に関する基本的な概念の講義を医師・看護師対象に行っている。 北海道大学病院においては侵襲制御医学講座・森本教授の指導の下、瀧田講師と大学院生1名のメンバーで手術室の業務に関するプロセス分析を行うことが確認された。2006年4月12日に侵襲制御医学講座医師を対象にIngo Marsolekが人間工学に関する講義を行う予定。 「研究の到達目標の明確化と研究計画の立案」 医療法人井上病院においては研究計画は、業務改善とリスクマネージメントに関する事項をプロセス分析を用いて分析することとした。北海道大学病院における研究計画は4月以降行う予定。 JSPSプログラムの日本語学校もすべて出席し、徐々に日本語も習得している。
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