2006 Fiscal Year Annual Research Report
ニュージーランド北島と北海道におけるガリー浸食の発達と土砂災害の軽減
Project/Area Number |
05F05784
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸谷 知己 北海道大学, 大学院農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PARKNER Thomas Frank 北海道大学, 大学院農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | ガリー侵食 / ガリー発達 / GIS解析 / リモートセンシング / 土地利用 / 森林伐採 / 災害軽減 / 堆積層序 |
Research Abstract |
土地利用の変化や気候変化の相乗作用によって変化する自然災害のうちでも、最も規模の大きなガリー侵食に焦点をあてて、ガリー発生場所、発達プロセスの違いおよび規模の違いを解析した。とくに、土地利用変化のうちでも地表面に大きなインパクトを与える森林伐採と再植林によるガリー発達プロセスの変化、さらにはそれに伴う下流への流出土砂量の変化を解明した。 (1)ガリー侵食を、ガリー単独タイプ、ガリーと地すべり複合タイプおよびガリーから地すべりへの移行タイプに分類し、それぞれが地質、地形および森林の状態との関係について解析した、その結果、地質構造の差異(同じ砂岩でも生成年代が異なる)が潜在的にこれらのパターンを決め、それが発達プロセスのinitiationとなっていることを解明した(Earth Surface Process and Landforms,2006)。 (2)また、森林の状態の差異に着目して原生林と造林地との間でガリー侵食の規模と頻度に差があるか解析した。その結果、原生林と造林地とでは、ガリーの発達プロセスとくにガリーが複数合体する際に大きな差異が認められ、造林地では発達速度が格段に速くなりことがわかった(Geomorphology,2007)(Disaster Mitigation of Debris Flow, Slope Failure and Landslide 1,2007)。 (3)さらに、地震によるガリー侵食との比較のため新潟地震跡地におけるガリー規模と頻度の調査を行った。震源地からの距離がもたらす影響について検討している。 (4)また、ガリー侵食がもたらす土砂生産速度への影響を解明するため、現在北海道東部地域で、湖沼堆積物の層序を解析し、土砂流出速度の差異を明らかにすべく調査解析を行っている。 これらをとりまとめて、現在2本の論文を執筆中である(9月までに投稿予定)。
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Research Products
(3 results)