2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05796
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 修 The University of Tokyo, 薬学研究科(研究院), 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BERTHIOL Florian 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | エナミド / 触媒的不斉マイケル反応 / アルキリデンマロネート / 含窒素化合物 / 銅触媒 |
Research Abstract |
エナミドを求核剤として用いる付加反応はこれまでにほとんど報告されていない。エナミドが求核付加反応を行うとアシルイミンを生成物として与えると考えられ、アシルイミンはその後種々の化合物への変換が容易であることから、エナミドを用いる求核付加反応は有機合成化学上重要である。これまで我々の研究室では、エナミドを用いる触媒的不斉アルドール型反応、触媒的不斉Mannich型反応を報告しており、その有用性を示してきた。今回筆者は、触媒的不斉マイケル反応の検討を行った。 初期検討として、種々のマイケルアクセプター(α,β-不飽和カルボニル化合物)を用いたが、通常のα,β-不飽和カルボニル化合物よりもLUMOのエネルギーレベルの低いアルキリデンマロネートを用いた場合によりよい収率を与えることが分かった。さらに触媒の検討を重ねた結果、金属塩として2価の銅塩を、リガンドとしてジフェニルエチレンジアミン由来のキラルジアミンを用いて調製される触媒を用いることで、高い収率、選択性で目的とする付加体が得られることが分かった。 本反応の基質一般性は広く、芳香族ケトン由来のエナミドのみならず、脂肪族ケトン由来のエナミドを用いた場合も反応が円滑に進行することが分かった。 さらに得られた化合物はアシルイミン体であり、還元を行うことでエナミド由来の窒素原子を付加体に導入することも可能であった。本反応は、種々の窒素含有化合物の合成に有用であることを見いだした。
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Research Products
(2 results)