2007 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理計算による触媒活性構造・触媒反応機構の解明
Project/Area Number |
05F05797
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 康裕 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
COQUET Rudy 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 第一原理計算 / 密度汎関数法 / 金属錯体触媒 / 触媒表面 / 活性構造 / 反応機構 / 固体表面 / 選択酸化 |
Research Abstract |
密度汎関数法DFTを駆使した第一原理計算により、酸化物担体表面に担持された担持金属触媒の構造、特に触媒活性構造と触媒反応機構について、理論的に検討し、表面で形成される担持金属触媒の構造を明らかにした。これまでに開発に成功し、特に優れた触媒活性を示すことが明らかになりながらも、表面の金属種の構造解析の限界によりその構造の詳細が解明できていなかった担持金属触媒のモデリングを行った。SiO_2やAl_2O_3,CeO_2などの酸化物担体の表面構造の最適化を行い、その最適化表面に目的の金属クラスターや金属錯体をのせ、表面に担持された金属活性点構造の詳細(価数、配位数、配位子との結合、配向、対称性、担体との相互作用)を重点的に明らかにした。 SiO_2表面に固定化したRu-ジアミン錯体は、アルデヒドと酸素の共存下で選択的にp-cymene配位子を脱離し、配位不飽和Ru単核錯体を形成する。この表面での配位不飽和種形成過程各段階の固定化Ru錯体の構造を検討し、反応物の構造変化のエネルギーを駆動力とした配位不飽和活性種形成機構を提案・報告した(雑誌論文1)。また、アルケンエポキシ化反応の遷移状態計算を行い、過酸生成機構、外圏型の選択酸化反応機構で反応が進行することを見出した(雑誌論文3)。配位不飽和Ru錯体がどのようなメカニズムでエポキシ化反応を促進するのかを明らかにした。 過剰水素中での一酸化炭素の選択酸化反応(PROX反応)に優れた触媒活性を示す酸化セリウム担持Cuナノクラスター触媒の構造モデリングを行い、実験的に明らかになった銅ナノクラスターの構造と表面との相互作用を検討した。
|
Research Products
(3 results)