2007 Fiscal Year Annual Research Report
南海トラフ沈み込み帯における地震発生帯の温度構造と力学的性質についての研究
Project/Area Number |
05F05801
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山野 誠 The University of Tokyo, 地震研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HARCOUET Virginie 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 地殻熱流量 / 沈み込み帯 / 南海トラフ / 付加体 / 間隙水 / 地下温度構造 / メタンハイドレート / フィリピン海プレート |
Research Abstract |
1.平成19年5月に研究船「淡青丸」による調査航海に参加し、紀伊半島沖の南海トラフ海域における熱流量測定を行った。これによって得られたデータにより、南海トラフ底の熱流量は、紀伊半島東方沖(熊野沖)から西に向かって増加し、潮岬南方では四国東部沖(室戸沖)と同様に、海底年齢に対して異常に高い値を示すことが明らかになった。この結果は、沈み込むフィリピン海プレートの性質が、熊野沖から潮岬沖にかけて大きく変化することを示唆している。 2.同じ航海において、東海沖〜熊野沖の水深1200〜2100mの海域で自己浮上式熱流量計1台を回収、自己浮上式海底水温計2台を回収し、1台を新たに設置した。自己浮上式熱流量計によって得られた表層堆積物中の長期温度記録を解析した結果、海底水温変動の影響を取り除いて熱流量を求めることができた。得られた熱流量値は、この点の近傍でメタンハイドレートによる音響反射面(BSR)の深度から推定されたものと整合的である。 3.熊野沖及び室戸沖の南海トラフ沈み込み帯について、温度構造のモデル計算を行った。特に、海洋プレートの生成から沈み込みに至る間の熱的進化と堆積物の沈積の影響に関して、堆積速度の変動等について新しい情報を取り入れ、モデルの改善を図った。 4.日本地球惑星科学連合2007年大会に参加し、付加体中の堆積物・間隙流体の移動が沈み込み帯の温度構造に与える影響、これを考慮に入れた南海トラフ沈み込み帯の温度構造モデルについて発表し、議論を行った。
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Research Products
(2 results)