2005 Fiscal Year Annual Research Report
南海トラフ沈み込み帯における,地震発生帯の温度構造と力学的な性質についての研究
Project/Area Number |
05F05801
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山野 誠 東京大学, 地震研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HARCOUET Virginie 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 地殻熱流量 / 長期温度計測 / 沈み込み帯 / 南海トラフ / 付加体 / 間隙水 / 地下温度構造 / 活断層 |
Research Abstract |
1.平成18年1月に、海洋研究開発機構の研究船「かいよう」による南海トラフ海域の調査航海に参加し、自己浮上式海底熱流量計1台の設置、自己浮上式水温計1台の回収と設置を行った。熱流量計を設置した場所は熊野トラフの活動的な泥火山の頂部であり、NSS(自航式深海底サンプル採取システム)を用いて海底の状況を観察しながら設置点の選定を行った。設置した機器により、約1年間の長期温度計測を実施する予定である。 2.同じ航海で紀伊半島東方沖(熊野沖海域)において、深海用プローブによる熱流量測定、ピストンコアラーによる堆積物試料の採取を、NSSを使用して海底を観察しながら実施した。採取したコア試料について、熱伝導率の測定を行った。 3.淡路島・野島断層近傍の掘削孔において、地表面から深さ約1450mまでの温度分布の連続測定を、光ファイバをセンサとする方法により実施した。孔口を閉鎖した状態での測定を約3か月行った後、孔口を開放して自然湧水が起きる状態として測定を継続した。これにより、湧水が温度分布に与える影響を調べる予定である。 4.南海トラフ沈み込み帯の温度構造について、既存のモデルを改良し、より精度の高い温度構造を求める試みを開始した。準備段階として、定常的なプレート沈み込みのみを考えたモデル計算を行い、従来の計算結果との比較を行った。この基本モデルに、付加体の成長に伴う間隙水・堆積物の流動による熱輸送の効果を取り入れたモデルの作成を進めた。
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