2006 Fiscal Year Annual Research Report
アゾベンゼン部位を有する光応答型多機能分子材料の創成と「金属」液晶への展開
Project/Area Number |
05F05802
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 寛 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GIRAUD Marion Mirelle 東京大学, 大学院理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アゾベンゼン / 錯形成 / 脂質アニオン / 光異性化 / ミセル / 高分子錯体 |
Research Abstract |
本研究では、まずアゾベンゼン部位をもつ架橋配位子の錯形成を連続的に行うことにより、剛直な直線型構造をとり電子伝導性を有する高分子錯体分子ワイヤをつくる。その際、金属イオンの対イオンとして適切な構造の脂質アニオンを用いることにより、上記錯体ナノワイヤーを有機溶媒に可溶化し、またそれを濃縮したり、貧溶媒を添加したり、温度制御を行うことによって、自己組織化構造をつくる。これらの構造のうち、特に液晶構造を有するものを探索する。アゾベンゼンで架橋したπ共役錯体ワイヤは、アゾベンゼンがトランス型のときは直線型構造で電子伝導性を示すと予想されるが、光照射によりシス型になると構造がひずむと同時に電子伝導性が低下すると予想される。液晶層でもそのような光照射による構造、物性変動が誘起する系をつくる。それらの研究を総合することにより、新しい多重機能をもつ分子デバイス材料を創成するするのが目的としている。 本年度は、テルピリジン配位子をアゾベンゼンの両端につけた架橋配位子と、棒状ミセルを形成するための脂質アニオン種の合成を行い、それらと鉄イオンまたは亜鉛イオンとを共存させた状態でのポリマー生成およびその形状の走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。その結果、バンドル状になった高分子錯体の生成を確認した。
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