2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05803
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増原 宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOUIT Guillaume 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 単一細胞 / 顕微蛍光イメージング / 単一粒子分光測定 / ナノ粒子 / 高分子ビーズ |
Research Abstract |
本年度は、細胞内にナノ粒子を導入する新しい手法ならびに非発光性のナノ粒子を用いた細胞イメージングのための要素技術として、顕微蛍光イメージング法による単一細胞の中と表面にある高分子ビーズの可視化技術と細胞内に取り込まれるナノ粒子のサイズを検討した。マウスNTH3T3細胞の培養液中に蛍光性高分子ビーズを添加し、共焦点顕微鏡で3次元蛍光像の観察を行った。直径40nmのビーズでは添加後数分程度で細胞内にナノ粒子が取り込まれ、細胞核周辺に多数の蛍光ビーズの発光が観測された。細胞膜染色色素も同時に添加し、2波長共焦点蛍光イメージングを行うことによって、蛍光ビーズが細胞表面でなく内部に取り込まれていることを明確に示すことに成功した。また、培養液中に糖があると多数のビーズがすばやく取り込まれる傾向にあることが分かった。一方、直径100nmのビーズの場合には、ビーズは膜表に多く吸着するが細胞内には入らないことを、同様の2波長蛍光イメージ測定から明らかにした。生きたままの細胞中のナノ粒子を膜表面と区別して可視化することに成功し、細胞が自然に取り込むナノ粒子のサイズとして、直径にして40nmと100nmの違いが非常に重要であることを実験的に示すことができた。現在我々が進めているナノ粒子をプローブに用いた細胞内局所環境センシング手法の開発を進める上で、重要な知見を得ることができた。
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