2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05803
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増原 宏 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOUIT Gillaume 大阪大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 単一細胞 / 顕微分光イメージング / 単一粒子分光 / 金ナノ粒子 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
金ナノ粒子は可視域に強い吸収、光散乱を示し、また化学的に安定かつ不活性であることから、化学・バイオセンサーや光学ラベルとして生物・医療分野への応用が期待されている。本研究では、単一生細胞内の局所環境プローブのための新しい手法の開発を目的に、単一金ナノ粒子の表面プラズモン共鳴を利用した細胞の分光・イメージング法の研究を行った。我々が開発したフェムト秒白色光を光源とした共焦点顕微光散乱分光装置を使用し、細胞試料にはマウス繊維芽細胞(NIH3T3)を用いた。顕微鏡ステージ上に炭酸ガスインキュベータと恒温容器をセットできるようし、細胞培養条件下で生きた細胞の非染色3次元光イメージングを数時間以上安定に測定、観察することに成功した。一方、球形金ナノ粒子(直径80nm)のコロイド細胞培養液中に添加することで、金ナノ粒子がNIH3T3細胞の表面に付着するだけでなく細胞内部に自発的に取り込まれるが確認された。さらに、金ナノ粒子を添加した試料を用いた共焦点顕微分光・イメージング測定から、細胞表面あるいは内部の単一金ナノ粒子の位置が時間とともに変化する様子をサブミクロンの3次元空間分解能で測定できることを示し、同時に金ナノ粒子のプラズモン共鳴スペクトルのピーク波長が位置によって変化することを観測した。このように、本実験手法が金ナノ粒子を光学ラベルやセンサーとして用いる新規非染色細胞分光イメージング技術として有効であることが示された。
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