2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞組織の動的計測のための集積化マイクロ流体デバイスの研究
Project/Area Number |
05F05804
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 輝夫 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NAZARE Pereira Rodrigues 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクロ流デバイス / 細胞培養 / 電気化学センサ / 細胞毒性計測 / 薬物動態計測 |
Research Abstract |
マイクロ流体デバイスを用いると、微細構造の三次元性、微小空間の効果ならびに培養液の潅流による栄養分や酸素の連続的な供給が可能であることなどから、細胞や組織を良好に培養できることが明らかになっており、受入研究者のグループでも、これまでにマイクロ流体デバイスを用いて肝細胞や内皮細胞の培養を行い、形態的にも、また生理学的な機能としても良い状態を保持することに成功している。しかしながら、現状では培養されている細胞ならびにデバイス内部の環境そのものをオンラインで計測する手段がなく、実際にどのような因子が培養細胞に良い影響を及ぼしているのか、また細胞はどのような状態で培養されているのか、が明らかでない。本研究では、マイクロ流体デバイス内部に酸素とグルコースを計測できる電気化学センサを集積化することによって、デバイス内部の環境条件を動的かつ連続的に計測することを可能とするような技術基盤の開発を行い、基本的なデバイスを構築し、十分な性能が得られることを確認した。さらに、細胞による酸素消費を正確に見積もるため、デバイス壁面からの酸素透過を抑えることを試み、デバイスの入口と出口で同様の計測データが得られること、また細胞そのものに影響のないことを確認した。これらの検討結果から、細胞の培養時における環境条件を動的に計測するために必要な基盤的な技術の確立に向けて重要な知見が得られ、今後、こうしたデバイスの実現に向けて大きな一歩を示したものと考える。
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Research Products
(4 results)