2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05809
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 毅 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NICOLE M. -H. 東京大学, 大学院数理科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 志村多様体 / 保型形式 / ガロワ表現 / 消失輸体 |
Research Abstract |
四元数的志村曲線に対するRibetとRajaeiの結果を,悪い還元をもつ志村多様体に対して一般化することを目標として研究を進めている.この研究は2つの部分からなる.1つめは,ZinkとReimannの結果を非PEL型の場合に精密化することにより,志村多様体の1次元および0次元の部分多様体を記述することであり,2つ目はモノドロミー・ペアリングの定式化を一般化することである.現在までに得られた結果は次のとおりである. まず,上記の1次元および0次元の部分多様体の記述を得た.これは,Ribetの完全系列の高次元化の定式化に必要であった.ZinkはPEL型の志村多様体に対し,惰性な素数$p$の場合を明らかにした.Reimannは一般の非PEL型の場合に,不分岐な素数を扱った.これらの結果を、Rapoport-Zinkによる、志村多様体のp進一意化を用いて一般かした。 次に、消失輪体を用いて,Ribetの完全系列の一般化に現れる群の自然な定義を与える.孤立特異点のみをもつ場合の消失輪体についての一般論を用いれば,志村曲線の場合と同様な結果を得るための,一般論は確立しているように思われる.しかし、四元数的志村多様体は,この孤立特異点のみをもっという条件をみたさないので,注意深く特異点を調べる必要がある.現在、ここまでについて得られた結果を、論文としてまとめている。 これらの結果と、モノドロミー作用に関する不変サイクル定理をあわせることにより、保型形式の合同に関する、レベル下げ定理が得られることが期待される。また、任意の次元の部分多様体を調べることで,Jacquet-Langlands対応の幾何的な実現への応用も探りたいと考えている。
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Research Products
(2 results)