2005 Fiscal Year Annual Research Report
カドミウム超集積植物を含む各種植物のカドミウム毒性の評価
Project/Area Number |
05F05810
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
河合 成直 岩手大学, 農学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KASHEM Abul Md. 岩手大学, 農学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | カドミウム / 汚染土壌 / 分画 / 可溶性 / 交換性 / 亜鉛 / 鉛 / 銅 |
Research Abstract |
金属の植物に対する毒性は土壌中の化学形態による。そこで、本年度は、Cd汚染土壌を用いてその存在形態の評価を行った。4つのCd汚染土壌(秋田、宮城1、宮城2、群馬)と4つのCd非汚染土壌を用いCd、Cu、Pb、Znの科学形態を6つの画分(可溶性(F1)、交換性(F2)、炭酸塩(F3)、酸化物(F4)、有機体(F5)、残渣(F6))に連続抽出法により分離する実験を行った。 硝酸ー過塩素酸分解法により測定した土の金属含量は(mg kg^<-1>)Cdでは0.69から13.5、Cuでは23から133、Pbでは19から359、Znで90は704であった。Cu以外は汚染土壌が非汚染土壌の5から18倍高かった。汚染土壌のCdは主に"交換性"画分に存在した(28から48%)が、非汚染土壌においては"残渣"(F6)画分が最も高く(29から32%)であり、"酸化物"(F4)、"有機体"(F5)画分、可動性と考えられる"可溶性"(F1)、"交換性"(F2)、"炭酸塩"(F3)画分がそれに続いた。非汚染土壌においては、Cu、Pb、ZnもまたCdと同様の分配を示した。しかし、Cuについては"残渣"(F6)画分に続いて"有機体"(F5)画分が2番目の含量が多かった。そのことはCuが有機物と強い親和性があることを示していた。Cdの可動性画分存在率[MF=(F1からF3までの含有量/全含有量)×100]はCd汚染土壌で平均64%、非汚染土壌で平均22%であった。これらの値は、他の元素の値に比べ最も高かった。例えば、実験に用いた8つの土壌の平均値はCuが3%以下であり、Pbは11%、Znは14%であった。Cd汚染土壌において可動性画分へのCdの分配率が高いことは、土に含有されたCdが植物に吸収されやすい形態で存在する割合が高いことを示唆しており、その画分のCdが植物のCd害の発生を導くことを示唆していた。
|