2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05811
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
久我 ゆかり Shinshu University, 農学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOURGAULT Richard Alaln Joseph 信州大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 植物根部内生糸状菌 / 栽培レタス / 誘導抵抗性 / 遺伝子発現 / 生物防除 / レタス根腐病 |
Research Abstract |
2004年および2007年度の川上村栽培レタスにおける内生糸状菌の調査により,内生菌の一つの菌叢型(a型菌)が栽培レタス根内に唯一優占的に存在しているDSEであることが明らかになった。本菌の廠染様式について根箱法により詳細に観察したところ,菌糸定着は接種一日目から観察され,5日目以降の定着率は100%,宿主皮層細胞内に形成される微小菌核は3日目から観察された.また,非病原性Fusarium oxysporumおよびレタス根腐病菌の感染に伴って形成されたパピラはa型菌の定着では観察されなかった.これらのことから,a型菌と宿主の関係は中立以上の共生であることが示唆された. a型菌接種植物における,地上部の細菌性病害への抵抗性を検討した。根箱法によりa型菌をレタス苗の根部に前接種して培養後,野菜類軟腐病菌の菌液をシリンジ(注射針無し)で葉の裏から注入した(2ケ所/葉x2)。軟腐病菌接種24および48時間後,非病原微生物により活性化される誘導抵抗性(ISR)関連遺伝子(MAPK,PDFおよびVSP)および病原微生物により誘導される全身獲得抵抗性(SAR)関連遺伝子(PRla)の発現をRT-PCRにより解析した。DSE導入植物に軟腐病菌を接種した場合,MAPKおよびVSPの発現はDSEを導入しなかった植物に比べてはやく上昇し,72時間まで高い発現量を維持した.本系におけるPDFの発現量は軟腐病菌接種後24時間の4倍高かったが,その後低下した。PR1遺伝子はDSE接種および非接種植物間で差がなかった.したがって,DSEは誘導抵抗性を引き起こすが,全身獲得抵抗性を誘導しない可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)