2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05812
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
粟井 郁雄 龍谷大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
アルン クマル シャハ 龍谷大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | メタ物質 / 人工誘電体 / マイクロ波回路 / 共振器 / 人工分子 / 金属ストリップ |
Research Abstract |
電磁界シミュレータによって様々な人工分子の配列に対してその等価誘電率を計算している.その実数部は分子構造が対称的であれば安定に計算できるようになったが非対称なときの周期境界条件の適用が困難であるという問題点がある.そのため新しくFDTD法によるシミュレーションプログラムを開発し周期境界条件の導入を試みている. 実数部の計算はトランスバース方向には周期境界条件,進行方向には数セルから10数セルの格子を仮定して先端に短絡または開放条件を与え平面波入射に対する反射係数S11を求めることによって従来進めてきた.今回,先端の短絡・開放ではなく透過型とし,S11,S21の両者から求める方法を試み,両者の結果が一致することを確認した. 又誘電率の虚数部を精度良く計算するための摂動法に基づくアルゴリズムを開発したが現状では安定的に動作していない.シミュレータ付属の積分計算カルキュレータ使用法に問題があると思われる.これが完成すると共振器の無負荷Q値の予測が可能となり,Q値を向上させるような人工誘電体共振器の設計へと研究を進めることができる. いっぽう実験的には現有の基板加工機を駆使していくつかの配列の人工誘電体共振器を作製してみた.個々の人工分子の集合効果によって共振器の外形で決まる共振モードが出現するはずであり,分子の大きさと共振器の大きさがどの程度になればそうなるかを調べている.この結果は今夏の国際会議で発表予定である.又,人工分子としてヘリックス,ヘアピン,球状金属などを用意し,等方性・異方性の区別,配列の効果,疎密の効果を検討しつつある.現状では人工分子の自己共振周波数より30%程度低い共振モードを観測しており,分子を小さくして個数を増す事によってこの倍率がより大きくなるものと予測している. 今年度は予定通り来年度以降の本格的な研究のための準備が完了したと考えられる.
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Research Products
(1 results)