2005 Fiscal Year Annual Research Report
北陸の里山生態系における生物多様性:現状,問題点および保全・活用に向けての提言
Project/Area Number |
05F05817
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 浩二 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CETINKAYA Gulay 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 里山 / 能登半島 / 持続的利用 / 生物多様性 |
Research Abstract |
特別研究員の来日直後であり,また11月〜3月までの冬季にあたり野外調査には適さないので,以下の項目を実施した. (1)文献調査;日本における里山問題の把握をするために,多数の里山関連の文献(日本語,英語等)を収集し読了した.その結果,「里山問題」は,我が国の生物多様性問題の最重要課題のひとつであるとともに,資源の持続的利用のモデルでもある.しかし,里山地域(中山間地と大きく重なる)は,過疎化,高齢化問題をかかえており,その活性化は急務であるが,困難な課題である.それを念頭に置き,石川県各地の里山生態系において,生物多様性と地域住民によるその利用について,(1)現状と問題点を明らかにし,(2)持続的利用にむけた提言をすることが重要であることを理解した.今後,(1)過去から現在にいたる里山の変遷を古地図,航空写真等から復元するとともに,住民への聞き取り,里山の野外調査をおこなう.その際,住民による里山の管理形態,管理程度との関連に特に注目する.(2)韓国,トルコ等においても比較資料を収集することにより,生態系と人々の暮らしの連関に焦点を当て,地方・地域・グローバルレベルでの視点から里山に影響を及ぼしている問題,持続的管理・保全への戦略を議論する予定である. (2)予備査察:金沢大学角間キャンパス内の里山ゾーン(金沢市角間町),能登半島(門前町猿山)等の石川県内の里山を訪問し,今後の調査法を検討した. (3)里山問題関連のシンポジウム等:以下に出席し,コメントした. 1.『能登の里山を生かす』.「いしかわ地域づくり円陣2005」第2分科会.「能登の自然学校」,石川地域づくり協会.門前町.2005.11.23. 2.「大学と地域をつなぐ、 『角間の里』から加賀・能登の里山へ」.朝日・大学パートナーズシンポジム「人をつなぐ未来をひらく大学の森-里山を『いま』に生かす」.朝日新聞社・金沢大学・龍谷大学・金沢大学・龍谷大学.2005.12.17. 3.能登の自然と里山利用.17年度社会貢献推進事業「金沢大学タウン・ミーティングin能登」.石川県能登町ホテル「のときんぷら」.2006.3.4.
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