2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05819
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木本 恒暢 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALFIERI Giobanni 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | シリコンカーバイド / 深い準位 / 点欠陥 / Hイオン注入 / DLTS |
Research Abstract |
SiCは次世代パワーデバイス用半導体として注目され、デバイス開発研究が進められているが、SiC中の点欠陥に関する基礎研究は極めて未熟な状況にある。本研究では、特に未開拓であるp型SiC中の点欠陥(トラップ)について、DLTS (Deep Level Transient Spectroscopy)により調べた。得られた主な成果は以下の通りである。 (1)成長直後のp-SiCのDLTS測定を200-750Kの広い温度範囲で行ったところ、Ev+0.43eV(D)、Ev+0.84eV(HK2)、Ev+1.27eV(HK3)、Ev+1.44eV(HK4)にトラップを検出した(Ev:価電子帯頂上)。HK2、HK3、HK4センターは本研究で初めて検出された欠陥であり、HK4センターはミッドギャップ準位である。トラップ密度は5E11-7E12cm-3と低い。 (2)次に、Hイオン注入したp-SiC中の深い準位を評価した。Hイオン注入層を評価することにより、一般的なイオン注入誘起欠陥だけでなく、不純物や空格子と水素の複合欠陥形成に関する知見が得られる。Hイオン注入は100keVおよび200keV、トータルドーズ量は5E10cm-2で、注入温度は室温、100℃、250℃、400℃、600℃である。注入後に100℃ステップで最高1800℃の熱処理(15分)を施し、欠陥の熱的安定性についても調べた。この結果、Ev+0.4eVからEv+1.8eVの領域に7種類のトラップを検出した。この中で、IM4(Ev+0.44eV)とIM8センター(Ev+1.8eV)が極めて安定で、1800℃の熱処理を行ってもほとんど密度が変化しないことが分かった。一方、IM7センター(Ev+0.79eV)は1500℃程度の熱処理によりアニールされることが判明した。トラップ密度は1E13-3E14cm-3であった。
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