2006 Fiscal Year Annual Research Report
東ヒマラヤにおける農業生物多様性保全に関する研究:伝統的な在来知識と持続的生活の視点から
Project/Area Number |
05F05821
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 耕司 京都大学, 地域研究統合情報センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHARMA Ghanashyam 京都大学, 地域研究統合情報センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 東ヒマラヤ / シッキム / 持続的農業 / 農業生物多様性 / 在来農業 / 農林複合システム |
Research Abstract |
東ヒマラヤから東南アジア大陸部山地(SEAMMR : Southeast Asian Mainland Mountainous Region)を経て、中国の雲南省を結ぶ地域は、生物多様性保全に関わる世界の「ホット・スポット」の一つである。しかし、この地域に関する研究事例は少なく、地元住民の生業活動について十分な知見が得られていない。国連大学は、以上を背景に、この地域の持続的な農業生態系管理(SAM : Sustainable Agroecosystem Management)に向けた共同研究を実施しており、受入研究者(田中)と特別研究員(Sharma)はこの共同研究に参加して、以下の研究を実施した。 1)特別研究員がこれまで行ってきたシッキム地域における樹木と作物の栽培を組み合わせた混栽システムの多様性を検証し、SAMに向けたその潜在力の調査を2006年5月〜6月、および9月に行った。本調査に関連する成果をインドで開催された2つの国際シンポジウム(5月開催のアーメダバード、および9月開催のアッサム州ゴウハティ)において口頭発表するとともに、関連学会誌に2編の共著論文を公刊した。 2)シッキムやSEAMMERにおいて、住民の在来知識・技術や土地利用システムが農業多様性の維持に果たす役割を比較検証し、SAMの確立と住民生活の持続的向上に向けた研究を実施するために、2006年10月国連大学の共同プロジェクトに参画し、中国(雲南)・タイ・ラオスの共同研究者とともに北タイで合同調査をおこなった。これに関連して、国際共同研究立ち上げに向けた準備ワークショップに出席した。 3)シッキム州政府および国連大学との共同によりシッキムにおける在来農業システムを農業世界遺産として登録するための準備作業に取りかかり、その企画・交渉を担当した。
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Research Products
(2 results)