2005 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノ微結晶のカーボンナノチューブへの導入とその光学応用
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05F05851
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 毅 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SVRCEK Vladimir 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | シリコンナノ結晶 / 液相レーザーアブレーション / ナノチューブ / 光学特性 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブや脂質ナノチューブのチューブ内に半導体ナノ微結晶を導入するためにはナノチューブの内径よりも小さなサイズを有する半導体ナノ微結晶が必要である。そこで本研究では液相レーザーアブレーションによってサイズが2nmから5nmの半導体シリコンのナノ微結晶が分散したサスペンジョンの調製を試みた。水中およびアルコール中でシリコンウェハーあるいはシリコン粒子にパルスNd:YAGレーザーの第三高調波(355nm)を集光照射してアブレーションを行った。 水中でアブレーションした場合、得られる粒子の形態は、照射するレーザーのパルスエネルギーに強く依存していた。1mJ/pulse未満のパルスエネルギーで作成した粒子は、10から80nm程度の粒径を有した球状粒子であった。また透過電子顕微鏡による観察からその球状粒子は、その内部に数nmのドメインを有しており、これらはシリコン微結晶であることが電子線回折分析より明らかになった。またこれらの結果はX線回折分析によっても支持された。一方1mJ/pulse以上のパルスエネルギーで調製した粒子は、サイズが極めて小さく2から10nmの大きさであり、形状は不定形であった。これらの粒子もまた結晶化しており、すなわちシリコン微結晶であることが分かった。おそらく高いパルスエネルギーのレーザーを照射した場合は、形成された粒子が再解離されて、より小さな粒子が形成されているものと考えられる。また、電気化学エッチングによって調製したマイクロメートルのサイズのシリコンの凝集粒子をアルコールに分散させ、そこヘレーザーを照射しても同様にシリコンのナノ微結晶が得られることも明らかとなった。 今後、ナノチューブ内に導入できるサイズのシリコンナノ微結晶の最適条件の精緻化をはかると共に、ナノ微結晶の光学特性を評価していく予定である。
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