2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05853
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
牧島 一夫 独立行政法人理化学研究所, 牧島宇宙放射線研究室, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RANALLI Piero 独立行政法人理化学研究所, 牧島宇宙放射線研究室, 外国人特別研究員
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Keywords | 銀河 / 爆発的星形成 / 宇宙X線 / 科学衛星 / 多波長観測 / 超新星 / 元素合成 |
Research Abstract |
星が生まれ、進化し、超新星として最期を迎えるというライフサイクルは、個々の銀河の性質や進化を決める要因であるとともに、宇宙で元素合成が進んできた歴史の鍵を握る、ひじょうに重要な現象でもある。なかでもスターバースト銀河と呼ばれる一群の銀河では、爆発的な星形成が起きるとともに、それに続いて超新星爆発が頻発しており、元素合成の現場として重要な役割をもつと考えられている。P.Ranalli博士は本国イタリアでの研究経験をもとに、代表的なスターバースト銀河であるM82のX線観測データを用い、銀河から吹き出す高温ガスの元素組成を詳しく解析した。その結果、酸素、ネオン、マグネシウムなど、重力崩壊型超新星で合成される元素が豊富に含まれることを示し、超新星爆発の連鎖の結果として、大量の高温ガスが作られ、銀河から吹き出していることを明らかにした。これらの結果は数回の国際研究集会において、同博士により口頭発表されている。さらに同博士は、可視光や紫外線の画像を用いた多波長観測により、M82銀河の内部におけるガスやダストの分布を定量化して、M82自身のガスによるX線の吸収を補正することに成功した。いっぽう我が国では2005年7月、宇宙X線の観測を目的とした科学衛星「すざく」が打ち上げられ、M82を含むスターバースト銀河のX線観測が進んでいる。Ranalli博士はその衛星チームに固有メンバーとして参加し、理研・宇宙放射線研究室において他のメンバーと協力し、「すざく」のデータ解析の準備を整えつつある。
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Research Products
(4 results)