2005 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタルホログラフィを用いた位相差増幅法による光干渉計測の高精度化の研究とその光学顕微鏡への応用
Project/Area Number |
05F05854
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山内 真 独立行政法人産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
REHMAN Shakil 独立行政法人産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | ホログラフィ / 位相差増幅 / 光干渉計 / 光学顕微鏡 / 液晶 / 空間光変調 / 屈折率 |
Research Abstract |
本研究課題においては、ディジタルホログラフィ及び位相差増幅の手法を用いて、光干渉計によって生じる干渉縞から読み取られる光波の位相を、高精度に測定する手法を確立すると共に、その手法を光学顕微鏡による生体試料の観察に応用し、通常の方法では観察できないような、生体組織の僅かな屈折率差を画像化して観察可能にすることを目指している。 平成17年度は、ディジタルホログラフィを用いた位相差増幅法を確立するための基礎的な実験を行った。具体的には、マイケルソン型干渉計を用いた段差測定を行った。試料は幅100μm、長さ700μm、高さ48nmの微小な段差である。この試料からの反射光と、参照平面波との干渉縞を高精細なCCDカメラによって取り込み、開発したプログラムによって位相差増幅の画像処理を行った。その結果予期した通り、位相差が増幅されない場合と比較して、段差が2倍、4倍に拡大されたプロファイルが得られた。すなわち、光干渉計における測定光の位相が、位相差増幅のディジタル処理により2倍、4倍に増幅可能であることが示された。 本研究課題では、液晶空間光変調素子を用いた、シアリング干渉計の開発も同時に行っている。シアリング干渉計では、参照光は用いず、測定光自身をずらして、その位相の微分値を測定する。光波面の位相測定では、シアリング干渉法は測定精度の面で位相差増幅法に及ぼないが、簡便な光学系で測定可能な利点があり、高精度な測定手法を補完する方法として有望である。平成17年度は、シアリング干渉計をレンズ収差の測定に応用し、液晶空間光変調素子を組み込んだ基本的光学系の動作を確認した。 透明な生体試料の場合は、画像化する情報は段差ではなく屈折率差であるが、反射型と透過型の違いだけで、測定光の位相が変化する状況は同じである。本年度に確立された位相差増幅の手法を用いて、来年度は生体試料の観察を行う予定である。
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Research Products
(2 results)