2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05855
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
宝野 和博 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, フェロー
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUHA Joka 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | マグネシウム合金 / 時効析出 / 時効硬化 |
Research Abstract |
マグネシウムの比重はアルミニウムの60%であり、構造材料として利用出来る可能性のある金属としては最も軽く、次世代の軽量金属材料として自動車・航空機などの構造体への応用が期待されている。ところがマグネシウムは六方稠密充填構造を持つので、加工性に劣り、従来の合金は殆どが鋳造材として使われてきている。本研究ではマグネシウム合金の応用範囲を拡大するために時効硬化現象により強化可能な展伸合金開発の可能性を検討するため、工業用展伸マグネシウム合金として多用されているMg-Zn合金をベースとして、それにCu, Mnを加えた下記のマグネシウム合金を試作し、それらの時効硬化挙動を調査した。これらは過去に商用展伸合金として開発された合金であるが、耐食性に劣るために殆ど使用されることなく、高強度が実現できることが知られていたもののその時効硬化メカニズムについても詳細が研究されないままになっていた。 Alloy1:Mg-2.6Zn-1.2Cu-0.02Mn(wt.%),Alloy2:Mg-5Zn-4.4Cu-1.2Mn, Alloy3:Mg-6Zn-3Cu-0.1MnCuとの合金化により時効硬化特性が著しく改善されると期待されることを確認、その強化メカニズム解明のために、微細組織を高分解能分析電子顕微鏡、3次元アトムプローブ、陽電子消滅により時効析出過程における析出物の形態、構造、密度、組成を詳細に解析し、Mg-Zn-Cu合金の時効過程を明らかにすると同時に、高強度化のメカニズムを検討した。また室温時効、2段時効が時効硬化に及ぼす効果も研究し、Mg-Zn-Cu合金では時効析出のキネティクスがMg-Zn合金に比較して著しく加速されていることが分かった。
|