2006 Fiscal Year Annual Research Report
電動車いすシミュレータ・重度障害者を対象とした電動車いすシステムの開発および評価に関する研究
Project/Area Number |
05F05856
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Research Institution | Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
井上 剛伸 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所, 福祉機器開発部・福祉機器開発室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NINISS Hafid 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 電動車いす / スキルの評価 / 危険回避システム / 操作支援システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、安定したジョイスティック操作が困難な重度障害者を対象として、安全な走行を実現するための電動車いすシステムを開発することにある。そのために、(1)電動車いすシミュレータ(当研究所既設)による操作能力の定量的評価方法の確立、(2)評価指標を用いた重度障害者の操作能力分類、(3)それぞれの操作能力にあわせた危険検出・走行支援システムの開発(センサにより走行中の危険度を検出し、力フィードバックにより操作者とシステムが協調して危険回避するシステム)、を行うことを目標とする。 本年度は(1)〜(3)の目標のうち、(2)および(3)を行った。 (2)評価指標を用いた重度障害者の操作能力分類 1)電動車いすの操作経験の無い健常者(5名)と電動車いすを使用している頸髄損傷者(4名)を対象とし、本電動車いすシミュレータを用いた操作能力評価実験を行った。 2)昨年度提案した操作能力評価指標により、利用者と未経験者のデータを比較したところ、使用者はジョイスティックの変動量が小さく、ジョイスティックの操作周波数は低いものから高いものまで分布していることが明らかになった。 3)シミュレータ酔いの評価手法の一つとして、手掌部の発汗量を計測する方法を提案し、走行場面でのストレスと発汗量に相関が見られることを確認した。 (3)走行支援システムの開発 1)頚随損傷や筋疾患などでは剛性制御、脳性マヒ等では力制御による力フィードバックの有効性が示唆された。 2)開発した力フィードバックジョイスティックをパソコンによるシミュレータに実装し、その動作を確認した。 3)回転式超音波センサーと力フィードバックジョイスティックを既存の電動車いすに実装した。 4)今後、性能評価を進める予定である。
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Research Products
(3 results)