2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05860
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
越崎 直人 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 研究チーム長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARIOTTI Davide 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクロプラズマ / 発光分析 / 酸化モリブデン / 低温プロセス / オンデマンド |
Research Abstract |
マイクロプラズマプロセスは、室温大気圧条件下で任意の位置に低投入エネルギーで無機系のナノ構造体を調製することができるオンデマンドな手法として注目されている。研究代表者のグループでもガラスキャピラリー(内径700μm以下)を使った誘導結合型のマイクロプラズマ発生装置を開発し、そのプロセス技術としての可能性について研究を進めてきた。マイクロプラズマ中に気体や液体の原料を導入するCVD法や、熱電子源として導入してある金属ワイヤーを利用した溶射技術として利用することによりプロセシングが可能である。 これまでの研究で、モリブデンワイヤーをアルゴンガス中で発生させたプラズマを利用して溶射することにより、ガス流速・酸素濃度・投入パワーなどの調製条件に依存して、モリブデンの酸化物であるMoO_2やMoO_3が生成したり、粒子状やロッド状になったりすることがわかってきた。特に流速の違いによる生成物の違いは顕著であり、20ccmを境として、これより小さいと大きな粒子サイズのMoO_2が生成しMoワイヤーの表面形態は荒れていた。一方、20ccmより大きな流速条件下では10nmオーダーのMoO_3ナノ粒子が生成しMoワイヤー表面もスムーズなものであった。このような生成物の違いの原因は酸化反応過程の違いに起因するものと考えられ、これを解明するためにプラズマの発光分析を行ってきた。その結果、低速側ではモリブデン原子からの発光が顕著に認められたが、高ガス流速側ではほとんど認められなくなった。現在、生成物と発光スペクトルの関係を更に詳細に検討するため高分解能の分光測定を目指した検討を進めている段階である。
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