2006 Fiscal Year Annual Research Report
成長期の植生動態が炭素循環に及ぼす影響に関する環境制御
Project/Area Number |
05F05861
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
DENNIS Dye 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, グループリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DELBART Nicolas Jean-Paul 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | フェノロジー / 時系列データ / 地球温暖化 / リモートセンシング / 亜寒帯 / タイガ / ツンドラ / 生態系 |
Research Abstract |
シベリアの寒帯林における展葉の時期は,気温の変化を通して気候変動の指標となり,また,光合成活動の期間を決定する事で年間の炭素吸収量の影響を決める重要な要素となる。北半球北部では過去二十年間に,この地域の記録的な温暖化現象に対する応答として,展葉時期が早まる傾向が示されていた。 2006年度は,本研究テーマに沿って2本の論文を完成させた。1本目は,ツンドラ地域における葉の展開時期のモデル化に関する研究である。この研究では,タイガ地域に開発されたものと同一のモデルがツンドラ地域でも適用できる事が明らかとなった。2つ目の論文では,1980年代に衛星データで観測されたシベリアのGreening trendについてである。展葉の時期には強い年々変動があるものの,1990年代が観測期間で最も早いという内容である。これらの2つのトピックに関する論文は,Global Change Biologyに投稿された。1本目の論文は既に受理されており,2本目の論文は現在,マイナー改訂を行っているところである。 地球環境フロンティア研究センターの生態系変動予測研究プログラムの研究者との共同研究として,衛星データを用いたシベリアのカラマツ林の葉面積指数(Leaf area index)の効率的な推定法を開発した。現在,論文を投稿中である。 2006年3月に北海道大学が保有する演習林を訪問し,ALOS/PALSARセンサを用いた森林バイオマス推定のテストサイトとして適切である事を確認し,JSPS派遣期間終了後の将来の研究の方向性を決めてゆく上で有用な情報を得る事ができた。
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Research Products
(3 results)