2007 Fiscal Year Annual Research Report
多核NMRおよび多次元NMR法の開発と天然有機化合物の構造解析への応用
Project/Area Number |
05F05865
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
越野 広雪 The Institute of Physical and Chemical Research, 物質構造解析チーム, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MALON Michal 独立行政法人理化学研究所, 物質構造解析チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 多核NMR / 三重共鳴 / 遠隔結合 / 構造解析 / 天然有機化合物 |
Research Abstract |
ロングレンジ1H-(31P)-13CおよびH-(13C)-31P相関NMR法のINEPT-HMQC法とdouble-INEPT法に関して、絶対値モードの他、位相検波法の測定法も開発した。31P核を29Si核に変えた、1H-(29Si)-13Cおよび1H-(13C)-29Siロングレンジ相関2次元NMR法に関して、フラボノイドなどのフェノール系天然有機化合物のtert-ブチルジメチルシリルエーテル体を調整し、有効性を検討した。その結果、フェノールをtert-ブチルジメチルシリルエーテル体に誘導し、ロングレンジ1H-(29Si)-13C相関2D-double-INEPT法を適用することにより、シロキシ基の付け根に2J_<C,Si>による相関、オルト位に3J_<C,Si>による相関が観測できた。スピン結合定数の違いを利用し、2.5Hzと1.5Hzに最適化した二つの条件で測定したスペクトルの相関ピークの強度の比較から、2J_<C,Si>による相関と3J_<C,Si>による相関を区別可能であることを明らかにした。フェノールのシリルエーテルの他、エノールのシリルエーテルおよび芳香族カルボン酸のシリルエステル体でも同様にロングレンジの1H-(29Si)-13C相関を得ることが出来ることを明らかにした。開発した手法は、多置換の複雑なフェノール化合物などの構造解析においてフェノール性水酸基の位置を明確に決定できる有望な手法である。 開発した三重共鳴2次元NMR法の一般性を調べる目的で他のスピン1/2の多核として77Seについても検討した。ロングレンジ1H-(77Se)-3CおよびH-(13C)-77Se相関NMR法のINEPT-HMQC法とdouble-INEPT法に関しても天然存在比で利用可能である事を明らかにし、機能性化合物であるtetraselenafulvalene類のNMR信号の帰属に有効に活用した。
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Research Products
(3 results)