2006 Fiscal Year Annual Research Report
不適正処分場の修復および地下水汚染制御:不適正処分場からの浸出水の地下水漏洩に伴う汚染対策として経費
Project/Area Number |
05F05873
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
井上 雄三 独立行政法人国立環境研究所, 環境型社会・廃棄物研究センター, 副センター長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FAN Bin 独立行政法人国立環境研究所, 環境型社会, 廃棄物研究センター・外国人特別研究員
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Keywords | 不適正処分場 / 透過性電気生成反応型地中壁 / モデル実験 / 有機物汚染浄化 / 土壌地下水汚染 / 原位置浄化工法 / 微生物反応 |
Research Abstract |
二つの研究テーマを実施しており、一つ目は、不適正安定型処分場の浄化手法について検討を行っている。宮城県環境保健センターとの共同研究を実施しており、サイトキャラクタリゼーション(主に文献調査、関連データ収集、現場調査)と、浄化手法の選定プログラム開発(文献調査や実験データの収集解析、関連ワークショップへの参加)を行っている。もう一つのテーマは、浄化手法の一つとして有力視されている透過性反応型地中壁(PRB)であり、その中でも、地下水中の有機物質汚染に対応可能な透過性電気生成反応型地中壁(PERB)の研究を実施している。これは、近年、米国にて発見された微生物の嫌気性代謝の一つであり、電子受容体として陰電極を用いて微生物が有機物質を酸化させる手法である。電子は電流として陽電極に伝達され、そこで酸素が還元される。開発しているPERBは、透過性反応壁としての地中バイオフィルム(陰極)、地下水以浅の酸素還元(陽極)、電気とイオン移動回路の3つから構成される。通常通りに電子受容体として利用される微生物のために空気中の酸素が地下水へと供給されることが必要となる。酸素が地下水中に拡散することは難しいため、従来のPRB手法ではコストが高くなることが懸念されているが、PERB手法は酸素を地下水中に拡散する必要がないため、経済的で効率的な地下水浄化手法として利用することが可能である。現在は、昨年度に検討した微生物の育成方法と電極材料選定、ならびに概念モデル実験を元にしたミニチュアモデルを作成して実験を行っている。
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