2006 Fiscal Year Annual Research Report
胚体外中胚葉に発生する血液造成と血管形成幹細胞の初期の循環の研究
Project/Area Number |
05F05878
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
SHENG Guojun 独立行政法人理化学研究所, 初期発生研究チーム, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MCINTYRE Brendan Alexander. Sebastian 独立行政法人理化学研究所, 初期発生研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 血液幹細胞 / 造血 / 遺伝子チップ / ニワトリ / 組織修復 / 循環血 |
Research Abstract |
現行のプロジェクトは、モデル動物としてニワトリを用い、これまでにない方法で、初期胚の循環血から回収した血球系あるいは他の幹細胞集団を分離し、造血に関与する幹細胞の分離及び追跡を目的としている。心臓内にキャピラリーを直接挿入することにより採血し、濃度勾配遠心法により血液を異なった分画に分離した。この技術を用い、様々な発生段階の胚の循環血から赤血球とそれ以外の細胞を効果的に分離することに成功した。 各細胞集団の解析にはギムザ染色をはじめとする古典的・血液染色法を用いて、主に赤血球を含む細胞と赤血球をほとんど含まない細胞(全体の95%以上を占める)の二つの視覚的に異なった細胞集団を得ることができた。次に、CD34(汎血管内皮細胞及び血液幹細胞マーカー)を用いて、これらの集団をさらに解析したところ、CD34陽性細胞は非赤血球分画に高率に存在し、赤血球分画ではほとんど陰性であった。 これらの結果を踏まえ、四つの異なった発生時期(胎生4・6・9・18日胚)の二つの細胞集団についてアフィメトリックス遺伝子発現解析を行い、その結果を定量的PCRにより検証したところ、CD34・CD45・CD117(c-Kit)陽性細胞集団が確認でき、さらに転写因子HEX・AML1・PU.1,Spi1などの造血関連遺伝子が高発現していた。 今後は、候補遺伝子について血液循環前のニワトリ胚及びマウス胚のホールマウントin situ hybridizationを行い、どの細胞種に発現しているかを同定する。また機能的手法として、ニワトリ胚卵黄嚢に傷をつけ、傷害部位の遺伝子活性を評価し、各種マーカー遺伝子データをもとに幹細胞が組織修復に貢献しているかを同定する。最後に、これまで報告のない遺伝子を発現ベクターに組込み、ニワトリ胚に遺伝子導入し、その効果を検討したいと考える。
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