2005 Fiscal Year Annual Research Report
微視金属組織及び局所結晶方位分布の視点に基づく局所せん断帯の発生と進展に関する研究
Project/Area Number |
05F05879
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
津崎 兼彰 独立行政法人物質・材料研究機構, 超鉄鋼研究センター, 副センター長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DORNER Dorothee 独立行政法人物質・材料研究機構, 超鉄鋼研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 変形組織 / せん断帯 / 粒界構造 / 柱状晶 / 双結晶 |
Research Abstract |
せん断帯の生成機構を明らかにすべく、粒界近傍におけるせん断帯の発生挙動に関する研究を開始した。研究は以下の内容で構成される。1.BCC合金(Fe-3mass%Si)及びFCC合金(Fe-50-100mass%Ni合金)の柱状粗大結晶を用いた、せん断帯の生成初期過程に及ぼす粒界構造と初期方位の影響の解明、2.同合金の双結晶作成と、その双結晶を用いたせん断帯の生成初期過程の検討、3.透過型電子顕微鏡、電子線後方散乱法、ナノ硬度測定法を用いたせん断帯及びその周囲の歪の評価、である。 Fe-3Si合金の柱状晶を用いた研究では、微小圧縮試験片および微小引っ張り試験片を作成し、30-60%の変形を室温で与えて変形組織の特徴を調べ、粒界近傍に3つの特徴ある変形組織が形成することを明らかにした。それらは、粒界のステップの形成、粒界と大きく角度をなして形成し周囲の未変形部との方位差が徐々に変化する遷移帯、同じく粒界と大きく角度をなして形成するが周囲の未変形部と急峻な方位変化を示す界面を持つミクロせん断帯、である。しかもこれらの生成は、粒界ごとで大きく異なることに加えて、同じ粒界でも粒界三重線近傍で生じる傾向にあることを見出した。 双結晶作成については、すでに双結晶作成ブリッジマン炉の立ち上げに取り掛かり、1700℃までの昇温が可能であることを確認し、炉内の温度分布測定を終了し、本ブリッジマン炉が対象合金の双結晶作成に十分な能力を有することを確認した。4月以降本格的な双結晶作成に取り組む準備をほぼ完了した。 ナノ硬度測定では、表面の平滑な研磨が必須であり、種々の研磨方法を施行した。それらは、コロイダルシリカ機械研磨、電解研磨、化学研磨である。 このように初年度に数々の知見を得ており、次年度の布石となることが期待できる。
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Research Products
(1 results)