2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05902
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福山 透 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
UNNI A.K. 東京大学, 大学院薬学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 全合成 / リコナジン / リコポジウムアルカロイド / 有機合成化学 / 天然物 / Deils-Alder反応 / 鈴木-宮浦反応 |
Research Abstract |
リコナジンはこれまでに例のない骨格を有したアルカロイドであり、腫揚細胞に対する細胞毒性があることが知られている。今回リコナジンの合成研究を行った。まず分子内Diels-Alder反応を利用して、リコナジンの基本骨格の構築を試みた。シクロヘプテンをジエノフィルとして、窒素原子を介してジエンと結合させ、分子内Diels-Alder反応を試みた。しかしながら分子のゆがみの大きさから反応は全く進行しなかった。シクロヘプテン部位をシクロヘプテノンへと変換し同様の反応を試みたが、同様の結果に終わった。そこでDiels-Alder反応を用いる方法を断念し、あらかじめデカヒドロキノリン骨格を構築しておくルートの検討を行った。一方のケトンが保護されたシクロヘキサン1,4-ジケトンを原料として用い、エナミンを経由してアクリルアミドを導入し、接触還元を経てデカヒドロキノリン骨格を構築した。しかしながらこのとき、縮環部位のシス・トランスを制御することはできなかった。引き続きアミド部位をエナミドへと変換し、カップリング反応の足がかりとなる臭素原子を導入した。一方、6-メチルピリドンを原料として用い、三工程を経て、2-メチル-6-メトキシ-3-ピリジルボロン酸を合成した。プロモエナミドとピリジルボロン酸との鈴木-宮浦カップリング反応を行い、良好な収率でカップリング成績体を得ることに成功した。今後、炭素-窒素結合の形成を行い、リコナジンの基本骨格を構築していく予定である。
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