2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマー絶縁材料の絶縁劣化機構解明と長期信頼性評価に関する研究
Project/Area Number |
05J00012
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
朱 勇 宮崎大学, 工学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポリマー碍子 / 電気絶縁 / コロナ放電 / ドライバンドアーク / 漏れ電流 / 撥水性 / 劣化診断 / 充填剤 |
Research Abstract |
本研究では、(1)ポリマー材料の耐汚損特性、機械的特性、電気的特性の解明(2)ポリマー材料の長期使用時における劣化メカニズムの解明(3)ポリマー材料の劣化診断法の確立(4)長期信頼性の確認を目的としている。本年度は、ドライバンドアーク放電電流を的確に評価するために、ドライバンドアーク放電の特徴である電流変化を用いたシステムを構築した。実碍子を用いた場合、ドライバンドアーク放電と思われる発光が複数箇所確認できることから、碍子表面上で電流が分担されていることが考えられるため、碍子材料表面の数箇所から漏れ電流を検出し、ドライバンドアーク放電発生時の漏れ電流の特長を明らかにした。そして、混在するアーク電流と導電性電流を分離する。改良微分解析法を提案すると共に人工加速劣化試験への適用から、その有効性を確認した。現在、九州電力(株)総合研究所にてポリマー碍子の加速劣化試験にも本方法に適用して解析中である。最近では,三水和アルミナ(ATH : Aluminatrihydrate)や二酸化珪素(シリカ,SiO_2)を充填することにより,耐アーク性,耐トラッキング・エロージョン性および機械的強度に優れた強い材料が開発されている。しかし,ATHは水酸基を有する水分吸着性の高い無機質であるために,シリコーンゴム単体がもつ撥水性を低下させてしまう可能性があることから,ATHの表面処理による疎水化などが検討されている。我々は,シリコーンゴム表面を局部アーク放電に曝し,充填剤の配合量の違いよる重量減少量を調査した。また,材料表面の物理的な変化等を走査型電子顕微鏡(SEM)とエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて調べた。これらの結果は論文誌Polymer Testingに掲載された。また,湿潤状態を模擬してポリマーがいし材料表面に任意に水滴を置き、数時間加速エージングした場合の水滴の形状と漏れ電流の変化、および漏れ電流から、第三高調波成分との関係を調べ劣化の指標にできないか検討したと共に材料の劣化メカニズムを明らかにした。これらの結果は論文誌IEEE Trans. on DEIに掲載された。
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Research Products
(5 results)