2006 Fiscal Year Annual Research Report
積雪放射伝達モデルの高精度化,及び雪氷圏リモートセンシングへの応用
Project/Area Number |
05J00016
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷川 朋範 北見工業大学, 工学部土木開発工学科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 積雪 / 双方向反射率(BRDF) / アルベド / 放射伝達モデル / リモートセンシング / 分光測定 / 非球形粒子 / サンクラスト |
Research Abstract |
衛星データから積雪物理量を抽出するためのアルゴリズムでは,積雪放射伝達モデルから計算した積雪表面における双方向反射率(または双方向反射分布関数,以下BRDF)が推定精度に大きな影響を及ぼす.従来のモデルでは積雪粒子の形に球形を仮定していたが,雪質によって粒子の形を変えた非球形粒子の光学特性を考慮することにより,精度良くBRDFを計算できるようになった.詳細なBRDF観測と解析によって,新雪では積雪粒子の形に円柱モデル,ざらめ雪では回転楕円体モデルが適切であることが分かった.また積雪粒子の表面にラフネスを導入することにより,より観測値に近い結果が得られることが分かった. 一方,融雪期は積雪表面がサンクラスト(表面近傍にできる薄い硬い氷層)で覆われるため,従来のフラットな雪面を仮定したモデルでは限界があった.そこで,積雪表面のサンクラストを考慮するためモンテカルロ法を用いた積雪放射伝達モデルを開発し,サンクラストの効果を考慮した積雪BRDFの計算を行うことができるようになった.このモデルはグリーンランドや南極大陸など雪面に凹凸がある場合にでも適用することが可能であり,今後,さらに汎用性の高いモデルに改良していく予定である. 論文成果としては過去の研究のレビューを行い,非球形粒子の光学特性を考慮した積雪放射伝達モデルについて2編論文を投稿した.また,その他に積雪の双方向反射率特性についてまとめた.
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Research Products
(3 results)