2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J00023
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
岩本 崇 大手前大学, 史学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 古墳時代 / 墳墓 / 副葬品 / 銅鏡 / 武器 / 流通 / 副葬 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度の成果に基づいて論考を作成・発表するとともに、古墳という場における副葬品のあり方について分析を試みた。対象とした副葬品は、鉄製品、筒形銅器、三角縁神獣鏡である。 まずは、発行年は2006年3月であるが、実際の刊行は2007年3月となった鉄製刀剣類にかんする論考である。古墳出土の鉄剣を対象に、外装の形態が機能と密接にかかわる可能性を考慮して、変遷と画期を明らかにした。 また、筒形銅器にかんしては、製作時に残る技術的な痕跡を詳細に観察し、その製作技術を復元するとともに、鋳型の構造の違いに基づく新分類を試みた。その結果、筒形銅器を新古に編年することが可能となった。さらに、出土古墳の様相、とくに分布や出土点数、墳丘規模との関係を整理することにより、その特徴的な流通形態についても把握することができた。 さらに、私見の提示をおこなっていなかった舶載三角縁神獣鏡について、断面形態の異同に基づく規格という観点から、その変遷を跡づけた論文を投稿した。三角縁神獣鏡が生み出された背景を含めた、製作動向について整理し、生産面における特質を明らかにした。 古墳という場における副葬品のあり方にかんする研究については、埋葬儀礼を復元する材料として、とくに埋葬施設の展開過程に着目している。現在、分析を継続中であるが、来年度の早い段階で成果をまとめる予定である。また、ケーススタディとして、東海地方における古墳築造の経緯と展開について、ちり的な特性も考慮しながら整理を試み、地域的な特質を抽出した。 こうした観点に基づき、兵庫県内の古墳について検討する必要があると考え、フィールドワークとしてたつの市に所在する龍子三ツ塚古墳群の測量調査を実施した。あわせて同古墳群から出土した遺物の調査を実施し、基礎的な資料の再検討についても試みた。
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Research Products
(5 results)