2005 Fiscal Year Annual Research Report
マグマのガス浸透性の実験的研究に基づく噴火爆発性の制御過程の解明
Project/Area Number |
05J00080
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
竹内 晋吾 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 火山噴火 / 脱ガス過程 / 噴火様式 / 透気試験 / 発泡マグマのガス浸透率 / 減圧発泡過程 / 空隙構造 |
Research Abstract |
1.高温高圧発生装置によって噴火時の減圧過程を模擬した実験を行い,竹内・中嶋(2005)の透気試験装置を用いて急冷生成物の浸透率を測定し,減圧発泡過程におけるマグマの浸透率と発泡度の関係を世界で初めて実験的に調べた.その結果,減圧に伴う気泡成長過程では,特に低発泡度領域での浸透率が,これまで天然の噴出物から知られていた関係に比べ桁で低いことが分かった.今年度,この研究はGeophysical Research Lettersに公表された(Takeuchi et al.,2005).2.竹内・中嶋(2005)の透気試験装置を産総研内に構築するとともに,浸透率測定可能範囲の拡大・測定操作の簡便化を目指して装置の改良を行った.改良により,ガス流の慣性の効果が浸透率に与える影響などの評価が可能となった。3.発泡した火山噴出物のガス浸透率は,全空隙率が高いほど高くなると大雑把には理解されている.しかし必ずしも全空隙率とガス浸透率が正の相関を持っているとは限らず,浸透率を最もうまく表現する空隙尺度は未だ不明である。本研究では,真空含浸処理によって試料空隙のほぼすべてを水で飽和させた状態で透気試験を行うことにより,試料内の空隙の内,流体の輸送を担っている"輸送空隙"を定量化する方法の開発を行った.この方法を,全空隙率などでは浸透率との相関が全く見出せていなかった試料群に適用した結果,浸透率と輸送空隙の最大くびれ径という尺度の間に強い相関があることを見出した.すなわち,輸送空隙の最大くびれ径という空隙構造はガス浸透率と関連付けるのに有効であることを意味する.この研究は横山・竹内(2005,2006)にて学会発表された.現在,方法論開発に関する論文を投稿のため準備中である.
|
Research Products
(1 results)