2007 Fiscal Year Annual Research Report
液相中レーザーアブレーション法による超高密度磁気記録媒体用磁性ナノ粒子の作製
Project/Area Number |
05J00099
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
石川 善恵 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 堺面ナノアーキテクトニクス研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 液相レーザーアブレーション |
Research Abstract |
ホウ素等の酸化されやすい物質の液相レーザーアブレーション 磁性材料の作製の上では、鉄などの非常に酸化されやすい材料の酸化状態の制御が非常に重要である。そこで酸化されやすい材料の一つであるホウ素を用いて液相レーザーアブレーション法によるナノ粒子の作製を試み、メカニズムや酸化状態のコントロール手法の探索を行った。ホウ素やヨウ素含有粒子は脳腫瘍などの中性子捕捉療法への応用が期待される材料でもある。昨年度はホウ素粒子を有機溶媒中に分散させ、レーザー光を照射することによって炭化ホウ素球状粒子の合成に成功したが、本年度はレーザー照射条件(照射時間や照射強度)や用いる有機溶媒を変化させ、以下に示す炭化ホウ素粒子生成メカニズムを検討した。 有機溶媒中に分散させたホウ素粉体をレーザー照射すると、ホウ素粉体がレーザー光のエネルギーを吸収し高温となり、溶融ホウ素液滴が生成すると考えられる。高温の溶融ホウ素液滴を取り囲んでいる有機溶媒分子は熱的、またはレーザー光により分解し、活性な炭素種が生成すると考えられる。それらの炭素種がホウ素液滴中に溶解し、冷却を経て炭化ホウ素球状粒子が生成すると考えられる。 得られた炭化ホウ素粒子を分析した結果、本粒子は約5~8nmの厚さのグラファイト層で覆われていることが明らかとなった。この様なグラファイト層にはタンパク質やアミノ酸などの生体機能物質を導入することが容易であることから、中性子捕捉療法用薬剤への応用の可能性が高いことが明らかとなった。
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Research Products
(9 results)