2005 Fiscal Year Annual Research Report
飼育実験手法を応用したG.ruberの2形態種の精密古環境指標の確立
Project/Area Number |
05J00152
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
黒柳 あずみ 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | 浮遊性有孔虫 / 古生物学 / 遺伝子解析 / 微化石 / 形態種 / 環境復元 |
Research Abstract |
堆積物を用いて低緯度の過去の水温や環境を推定する際に最もよく使われる浮遊性有孔虫種のG.ruberの中に種として別に取り扱った方がよいと考えられる2つの形態種が存在することが最近の研究より明らかになった.これまでは2形態種を区別せずに測定しているため,2種の生息深度の違いから酸素同位体比から復元される水温情報には最大約2℃の誤差が生じていた可能性がある.より正確な古水温復元のために,この2形態種の遺伝子レベルでの違いを明らかにし,水温と殻記録とのキャリブレーションを行うことが本研究の目的である.本年度はこの種の分子系統解析と飼育実験手法の確立を行なった.最初にG.ruberの2形態種について分子系統解析を行い,本種についての分析方法を確立し,2形態種間の遺伝距離を明らかにした.この遺伝子解析結果から,G.ruberが2つの遺伝的別種を持つことが初めて明らかとなり、これまで他の研究から報告されていた同種間での系統樹の混乱が,本結果から説明可能となった.また,この遺伝的に異なる2形態種の中央太平洋における地理的分布と,その分布を規制する因子として水柱の成層化構造が挙げられることを提案した.3月からはプエルトリコでの長期野外実験調査プロジェクトに参加し,California大学Davis校のSpero教授やドイツAlfred Wegener研究所のBijma教授の指導のもと,浮遊性有孔虫の飼育実験の装置や手法を学んだ.
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Research Products
(2 results)