2007 Fiscal Year Annual Research Report
飼育実験手法を応用したG. ruberの2形態種の精密古環境指標の確立
Project/Area Number |
05J00152
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平出 あずみ (黒柳 あずみ) The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 浮遊性有孔虫 / 古生物 / 有孔虫飼育実験 / 微化石 / 古環境復元 / 形態種 |
Research Abstract |
堆積物を用いて低緯度の過去の水温や環境を推定する際に最もよく使われる浮遊性有孔虫種のG.ruberの中に種として別に取り扱った方がよいと考えられる2つの形態種が存在することが最近の研究より明らかになった.これまでは2形態種を区別せずに測定しているため,2種の生息深度の違いから酸素同位体比から復元される水温情報には最大約2℃の誤差が生じていた可能性がある.より正確な古水温復元のために,この2形態種の遺伝子レベルでの違いを明らかにし,水温と殻記録とのキャリブレーションを行うことが本研究の目的である.本年度は,このG.ruberの2形態種について分子系統解析を行い,2形態種間の遺伝距離を明らかにした結果をまとめ,国際学術論文誌に投稿した.また,7・8月には南カリフォルニア大学Wrigley Marine Science Centerにて行われた長期野外実験調査国際プロジェクト(Paleo-Salt)に参加し,California大学Davis校のSpero教授やドイツAlfred Wegener研究所のBijma教授の指導のもと,有孔虫の生育環境をコントロールした飼育実験を行い,有孔虫の殻の酸素同位体比やMg/Ca比の分析から,より詳細な環境との関連について研究を行った.また,これまで報告のない,溶存酸素を減少させた環境での飼育実験にも取り組んだ.これらの昨年度および今年度の有孔虫飼育実験プロジェクトで行われた飼育実験の中のいくつかの結果は国際学会で発表された.
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Research Products
(4 results)