2005 Fiscal Year Annual Research Report
メタン発酵微生物共生系における微生物間相互作用の分子遺伝学的解析
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05J00167
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
中村 浩平 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | メタン生成アーキア / 共生微生物系 / Methanothermobacter / 遺伝子組み換え技術 |
Research Abstract |
1.単独培養、共培養条件下での水素資化性メタン生成古細菌(ΔH株)のプロテオミクス ▽ΔH株の水素分圧センシング機構の解析 〓共培養系からのΔH株の分離方法の確立(Percoll, Ficoll,ショ糖密度勾配遠心分離法) ΔH株と酢酸酸化細菌共培養系から、ΔH株を選択的に分離するため各種条件検討を行った。その結果、酢酸酸化細菌を特異的に破壊する酵素(リゾチーム)を嫌気条件下で作用させ、更にPercollを用いた密度勾配遠心分離法により、未破壊の酢酸酸化細菌とその残骸をΔH株と分離させることに成功した。分離されたΔH株は、顕微鏡観察によって99.9%以上の純度であることが明らかとなり、プロテオーム解析に適用可能であると判断された。 〓2次元電気泳動条件の確立 2次元電気泳動条件の検討を行った。1次元目電気泳動には、ΔH株ゲノム情報から推察されるタンパク質群の等電点から、pH4-7の範囲で行うことが妥当であると考えられた。そこで、pH4-7の電気泳動ストリップを用いて電気泳動条件の検討を行っている。 ▽共培養条件下のΔH株の性状解析 〓ΔH株と複数の有機酸酸化細菌共培養系の確立 ΔH株を様々な基質・共生菌と組み合わせて共生系の構築を試みた。その結果、エタノール存在下でDesulfotomaculum thermosapovorans、Pelotomaculum thermopropionicumのそれぞれの細菌と共培養系の構築に成功した。 2.ΔH株の遺伝子操作系の構築 ▽形質転換系の確立 〓プロトプラスト化条件の確立 1Mショ糖存在下で細胞壁分解酵素を作用させることでΔH株細胞のプロトプラスト化に成功した。 〓プロトプラスト細胞の桿菌への再生条件の確立 1Mショ糖を含んだ培養液にΔH株プロトプラスト細胞を添加し静置培養を行うことで細胞の桿菌への再生を可能にした。
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