2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケール機械加工と化学エッチングを併用した3次元微細構造形成法に関する研究
Project/Area Number |
05J00214
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
川堰 宣隆 富山大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 3次元微細構造形成 / 摩擦力顕微鏡 / イオンビーム / 単結晶シリコン / 異方性エッチング / トライボナノリソグラフィー |
Research Abstract |
摩擦力顕微鏡機構によるナノスケール機械加工(以下,TNLとよぶ)と化学エッチングを併用した微細構造形成法を利用して,TNL加工条件により微細構造の高さを変化させるため,マスキング作用の加工条件依存性について検討した.これより加工条件により,マスキング作用の強弱が変化することを示した.またその差は,マスク層の厚さおよび結晶性の変化に起因することを明らかにした.また,高精度なナノスケール機械加工を実現するため,加工用工具の開発を行った.単結晶シリコンの等方性,異方性エッチングおよびダイヤモンドCVD技術を応用することで,切れは形状を高精度に規定することが可能であった.さらにこれを用いてTNLによる微細構造形成を行った結果,切れ刃形状によって微細構造の形状は大きく変化することがわかった.さらに,ナノスケール機械における原子レベルの加工メカニズムを解明するため,分子動力学を用いたシミュレーション実験について検討した.ポテンシャル関数としてTersoffポテンシャルを用いることで,シリコンの安定した加工シミュレーションの構築が可能であった. つぎにイオンビーム照射と化学エッチングを併用した3次元微細構造形成法について検討した.これよりイオン照射条件により,微細構造の高さ・深さが大きく変化することがわかった.これを応用することで凸状,凹状の3次元微細構造形成が可能であることを示した.また,シミュレーションと比較した結果,微細構造の形状はイオン照射によるシリコンのアモルファス層と強い関係があることがわかった.
|
Research Products
(6 results)